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上京の三日間その三、アシスタントと作画スタッフと

2010.06.06 Sun
 新幹線など、交通が発達したお陰で、京都と東京の移動がまったく苦を感じない。それでも時間=金という万国共通の比喩のように、便利さは金銭を引き換えにせざるを得ないのであります。

 よって一回の上京には、出来る限り密接なスケジュールを立てます。今回は、東京在住の同窓に久々に連絡を、しました。もちろんマンガ関係の仕事をされています。いまは主に漫画家の作画スタッフ(いわゆるアシスタント)のお仕事をされる方で、画風は中性的な印象を受けますが、実に変換自在で、ジャンル問わずに活動をされていて、私が尊敬する一人です。

 いまは主に少女マンガのお手伝いをされているようですが、もちろんのこと、シフトはそれぞれの作家さんの掲載スケジュールに影響されているため、いま彼らのスケジュールの不安定さが伝わってきます。

 出版の不況なんと言うのは、一言で簡単に語れますが、その背景を分析するにはいくつの視点と、かなりの労力が必要とされる。それもいくつもの場で語られているので、繰り返し語ることはないでしょう。重要なのは、これからどうするのか、だ。

 そんな中、これまでずっと気になっているのは、「アシスタント」という呼び名です。「アシスタント」の始まりはいくつもの説もありますが、作家友人の間の手伝いあいが有力だと思います。週刊誌の登場がさらにそれを合理的に、システム化われて行ったのではないかと思えます。雑誌への作品持ち込みするさい、「アシスタントを希望しますか?」と、聞かれることはあるでしょう。一般的に「アシスタント」は「漫画家のたまご」という認識が、あるように思えます。

 「アシスタント」をすることで、漫画家への道が保障されたことは、決してないとは、誰もが否定しないと思います。が、しかし、「アシスタント」だった作家も確かに多くいます。十人十様のこのお仕事について、私は、「アシスタント」という呼び名を、「作画スタッフ」にしたい。映画の世界においても、アニメの世界においても、最初はどんな形で関わっても、自分が成ろうとしている職種にたいしての、強い主張がもっとも重要である。「映画監督をやりたい」あるいは、「美術監督になりたい」など、はっきりとしたビジョンと主張がある限り、逸れることは少ないということです。

 ようするに、どの場合でも、手伝っているうちに、手慣れてくるのだが、それは「何のため」にあるのを定める人間は、やはり強いでしょう。映画の場合音声、照明、撮影などを、アニメでは人物、背景、色指定に着色など…。映画だと、音声と言えばこの人、照明と言えばこの人に頼もう…アニメだと、人物はこの人、色指定はこの人に頼もう…という、どうしても流れでなって行くが、それぞれ立派な職人技であります。分水嶺は、「スキル」か、「目的」か、それぞれに対しての執着と言えます。

 マンガも全く持って、同じです。

 マンガの場合「背景を上手く描きたい」と、よく聞きます。だが背景を勉強しているうちに、たちまち背景を描くことがメインになって行く。作家になることは、背景を上手く描くことは、異なるだと、言うまでもないが。それは1つ、立派な能力であって、尊敬されるべき職種だと考えています。そのために、「アシスタント」ではなく、「作画スタッフ」と呼びたいのであります。

 漫画家と作画スタッフは、雇い主とスタッフの区別以外、上下関係はなく、本人の心懸けが重要だと思います。しかし、マンガという独特な産業モデルでは、価値観も独特になっています。言葉に対する理解は人それぞれだが、「アシスタント」以外に、「原作」という呼び方も、気になります。どちらかと言いますと、「脚本」が適しているのではないかと、考えています。

 ともあれ、日本のように、ストーリーから作画まで、同一人物でこなすというシステムは、日本人は当たり前のように思っていでも、世界から見て特例なこと。それでも、(作品の構造から見ての)作品が完成するまでのプロセスはそう違わないと思います。だが、「作画スタッフ」にしても、「音声担当」「照明担当」にしても、「人物担当」「色指定担当」にしても、皆一つのジャンルとして成り立っている、立派であることを、あえて書き加えます。

 長くなってしまいましたが…いまは新たなマンガ産業モデルができる時期であって、仕事を探すから、仕事を作る時代がやってきます。変貌し始まるシステムに、どんなアプローチで活動して行くつもりでも、これまで以上に自分を強く持つことが、大切になってくるかもしれません。

 唐沢なおき氏の作品に登場する怪傑漫画家男を、たいへんカッコよく思う、私でありました。(つづく)



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