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「キッチュ」第六号掲載作品紹介:熊小襲(ユウ ショウシュウ)『交差点』

2014.12.09 Tue
 いきなり向けられた猟銃、エリート、そして利益を重んじる社会という名の巨塔、その崩壊そして黒ヒョウ

 すべての要素を俯瞰すると、そこにはいまの中国を集約した「何かが」を思わせるものが浮かび上がってくる―――中国在住の異色漫画家熊小襲(ユウ ショウシュウ)氏の書き下ろし作品、全30ページの『交差点』!!!

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 熊小襲氏の独特なセンスは既に総合マンガ誌第五号掲載した同性愛を描いた繊細な物語で感じ取りましたが、今回はなによりも興味深かったのは中国在住の氏が見る中国の今なのであります。

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 日々広がる格差社会という形容詞は、中国経済中心にあたる大都市でより説得力を増している気がしていますが、現地に訪れたことのない私はそれを断言できない。しかし熊氏の作品からは、その目に映る中国の現在の一端を窺えた気がしています。

 順風満帆なエリートから見た愚かな警備員狩る側狩られる側、さらに垂直形の現代都市…ただの格差では終わらない、エリートと警備員両方とも人間であることを思い出させてくれる、さらにヴィジュアルの面では崩壊する巨大ビル暗闇に消える黒ヒョウの姿、全てが熊小襲氏の並ならぬ感性を物語っていて、作品の読み応えを増幅している。

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 かつて日本が高度成長期を経たと同じように、異なる形であろうが変わろうとしている中国――台湾出身の私がこの特異な作家熊小襲氏の目に映る変貌する大国の姿、そして氏の環境を見事な物語にして見せたその表現手法に興味を持たざるを得ない。(呉)

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