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フランスコミック作家とワタクシ

2010.05.12 Wed
 5月8日までの三日間は、フランスのSFマンガ家であるメジエール氏と同じくフランスのSFシナリオライターのクリスタン氏のワークショップに参加させていただきました。

 二人ともフランスの代表的な作家であり、期待の気持ちを持って臨んだが、とにかく不思議な体験でした。ワタシも含めて十人ほどの参加者が、お二人が与えたお題「京都」で三ページのストーリー展開のあるマンガ作品を作ると言った内容です。

 コマ割り(画面上コマ&全体ページの流れを決める作業)の段階からかなり密着していて、優しくも明快なアドバイスをしていただきました。

 また彼らが出してくれた、物語の魅力をさらに引き出すための構成案には圧倒的な説得力がありながら、二人は決して我々にそれを押しつけるような形を取らなかった。いろいろお話を伺っているうちにお二人とも大らかな印象でありながら何処かに内包的なた矜持を感じさせる――それも決して威圧感を与えるようなものではなかった。

 人間でありながら、作家である、「作家」という「人間」と言うべきでしょうか。

 二日目の午後、二人を囲む学内向けの特別公開講義は彼らの制作スタイルはもちろん、フランスコミックの略史をも触れる内容でした。


 フランスコミックと日本コミックの違いが日本で語られる時に、よく「単行本のみ」「アート性が高い」などの言葉があげられるが、それは作品そのものの性質を容易に理解させる表現ではあるが、それによってたちまちフランスマンガ家は日本作家と比べてワガママだと誤解が生じる場合があるように思います。そういう意味ではそれはとんでもない語弊であり、自分の視野を自ら狭く枠を設定してしまうことになりかねず、それこそワガママではないでしょうか?

 ともあれ、フランスもかつてマンガ雑誌が存在した、その代表格の一つは「ピロット」であるが、長年読者の年齢層に合わせて掲載作品の内容は変化し、分け方も「ジャンル」から、「作家」に変貌して行き、最後は「作家アルバム」と呼ばれる単行本に形を変えて、「ピロット」という雑誌そのものは役目を終えたかのように廃刊してしまう。

 このような変化によってもたらした現在のフランスコミックのソレこそ、日本コミックとの最大の違いに一つであると、ワタシは考えました。


 「雑誌」が発達する日本とそうでないフランス。


 ――フランスの「作家アルバム」の主流は作家側のワガママによるものではなく、ニーズに合わせて変化を遂げた現状であると言うまでもないでしょう。 これを「進化」をと呼ぶべきかどうかは、議論する余地はあります。ただし変化しないことこそは「退化」というべきだろう。

 またこのシステムの違いを「優劣」で分けることがあれば、ワタシには理解し苦しむことであります。


 講義中に、マンガ家のメジエール氏は始終「自分は好きなように仕事をやっている」と主張しながらマンガの仕事が詰まった時には、カットやイメージイラストの仕事をやって気分転換をすると言ってました。

 そして小説家でありマンガシナリオライターであり、映画の脚本家でもあるクリスタン氏は、
自分にとってマンガシナリオの言葉とはマンガ家がヴィジュアルを作るための道具であると我々に語った。


 ――フランスコミックは「アート性が高い」と言われるが、フランスコミック作家の仕事を「アート」で形容するには一括したニュアンスで語ってはならないと、あえてここで再び書き加えたい。 「アート」の極端な解釈の一つは「無償な行為」であるが、彼らは作家を生業として、仕事をしているのだ。 よって一方的かつ全面的に「アート」と評するには、あんまりにも短絡過ぎたかのように思えます。

フランスコミック作家とワタクシ


 特別講義中のお二人をこっそり描かせてもらいました。

 左はクリスタン氏、右はメジエール氏。のち両氏にお見せしたら、たいへん喜んでくれました。

 差し上げようと申したら、両氏からは「我々にはコピーをください、キミは自分の絵を大事に取って置くべきだ」と言ってくれました。そのうえ「一枚だけだと二人はケンカしちゃうから、二枚くださいね」と(笑)


 この三日間のワークショップと二日目の特別公開講義でお二人から得たものはあまりにも大きく、ここで全部書き留めることを断念しますが、最後に絵を描くことについて、メジエール氏が力強く我々に語った一言をしめの言葉とさせてもらいたいと思います―――



「決して美しい絵を描くために絵を描くな!メッセージを伝えるために描きなさい」



総合マンガ誌「キッチュ」
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