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悶雷

2012.09.20 Thu
 持ち帰った十数個の段ボール、それは12年間にも及んだ学生生活そのものを語っています。

 これらは一年半前に私が兵役の為台湾に帰国する直前にまとめた荷物であり、今日私の手元に戻って来たのは、大学の準備室の隅そして、名の高い日本画家のお宅にそれぞれ五個と十個の段ボールを一年半を置かせていただいた上、名の高い洋画家の方のお車、しかもご本人の運転でこれらの荷物を我が家に運んでいただいたとゆう許されない暴挙に出た結果なのであります。


 開封して中身を確認して行きますと(別に学者になるつもりはなかったが)近代日本の美術教育を記述された研究書籍が何冊、そのうちの一冊は、大学時代に世話になった美術史の教授と先月に久しぶりに会った時に尋ねられた未返却のものでした(当然返却せずに我がものにするつもりは毛頭もありませんでした)ただ、果たして本当に我が家にあるのか定かな記憶がないのであの時はハッキリとした返事ができなかったわけです。


 当然「そのうち」教授の研究室に持参して御返却いたしたく存じておりますm(_ _)m


 そう考えながら、目に飛び込んだ二十数冊もあるアイディアノートに圧倒されてしまい、さらに段ボールから出てきたのは十数本の完成原稿、制作された年齢にふさわしく未熟なものでありながら内容に説得力があった…物語を創ることをウソをつくことに例えるなら、他人を騙す前に、まず自分がそのウソを信じきらなければならない…これらの物語を創った自分はあの時、心の底から本気でそれらの存在を認めていたに違いなかった。

 内容は幼い上ひどく単純だが、上手いウソをつく為には、意外にも話術よりも、自ら自分だけの世界を信じきる「狂気」が必要だったように思わせる気迫を感じさせるものであった。

 
 さて私最後に筆を取ったのはいつだっただろう?

 と言うより、私が最後に「無邪気」に狂って、これらのような「本物のウソ」をつこうと試みたのは、いつだっただろうか?


 こうして十年ほど前の自作を眺めることは、初めてのことではないが(前回とはおよそ2年の合間があった)自分が嘗て生み出したエネルギーの塊に対して、自分の血管に掛けられた二重や三重の錆びた南京錠から自分自身を解放されない(過去の自分が現在の自分になったプロセスは既に動かせるようのない事実だった故に)のような悶々とした得体の知らない鬱に襲われ、こもった雲に放つ無声の「悶雷」が胸のなかに再現されたような思いであります…

 いやぁ最近映画監督の林海象氏の来年公開予定の傑作映画『MIROKU彌勒』がきっかけで、原作小説『弥勒』を数回読んでいるうちに再び戦後小説のマイブームがやって来て、入手した未読のものなどを探し出して読み始めようとしているもので、その分多感になっているわけでしょうか。


 なにはともあれ、荷物を整理しているうちに出てきた数本の絶版なおかつ未DVD化のビデオをダビング屋に頼んで、DVDに焼いてもらおうかなとひらめいたが、すぐに本で埋まってしまった巨大本棚の前にある五つもの未開封段ボールとゆう現実に引っ張り戻され、この風景を眺めながら首を傾げて悩むわたくしでありました。


 うふふ。



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