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「キッチュ」復活号掲載作品紹介:禁じられた遊び

2012.12.27 Thu
 『禁じられた遊び』を初めて見たのは数年前のこと、自分には考えられなかった安値で売られるディーヴィーディボックスの一枚に収録されていたのであります。

 いきなり両親を失くして幼い少女、という展開に驚いた記憶があります。

 しかし「あれはラストに女の子が「ミシェル!ミシェル!」と叫びながら人ごみの中に走って行くシーンを見せるだけのための映画なんだよ」と、のち極めて明快な結論を聞きました。確かにそうかもしれないと頷いたものです。

 なにはともあれ、この『秘密の手術』に、登場するのは少年と少女であること以外に、共通点はまったくないと言って良いのではないかと考えるが、初めて目にして「あ!禁じられた遊びだね!」と声をもらす読者もいるのではないだろうか。

落ちつくんだ…

 エリートの家で育った直人くんとお嬢さんのゆりねちゃんそしてイタズラっ子の淳くん、ある日の学校帰りに事件が起きた…木から転落した淳くんに、戸惑うゆりねちゃん、そこで直人くんが…

手術をする

 作者の松尾キュウさんとは、数えてみれば十年以上の付き合いになるのだが、数年かけて奇抜な発想で所謂「ヘタウマ」の作品から、高レベルの作画技法を見せ付ける正統派画風プラス楳図かずお先生的な雰囲気へ変貌したことが、たいへん印象に残る漫画人です。

 実はこの『秘密の手術』こそは、彼が数年前に全身全霊をかけて書き上げた一作であった。

 最高の作画と、狂気とも言える発想が出来る作家、編集者にとってまさしく宝物だと考えるのだが、意外にも正当な評価をする出版社は、なかったようである。

パパの期待

 かつて描き手に徹した私だからこそ、そういう視点で語ってしまうかもしれませんが…編集者として作家もっとも作業しやすい環境を作り、作家にプレッシャーを与えることがあっても、やる気を無くさせるわけにはいけない。また作家とうまくいかない時、作家の能力を疑う前に、自分に作家の能力を引き出せなかったと悔やむべきではないだろうか。

メスを!

 と、そう考える以前に、いまは手術を敢行する直人くんとゆりねちゃんのことが気になってならんのだ!(呉)

※総合マンガ誌「キッチュ」復活号作品紹介選択ページへ※秘密の手術


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