RSS|archives|admin

「キッチュ」復活号掲載作品紹介:生き方と死に方

2013.01.04 Fri
 『酒虫』とは中国古典怪奇小説集『聊斎志異』の一節であり、日本では芥川龍之介が翻案して書かれた同名小説があります。

 これをアレンジの題材にしたのは、単に私は酒好きのと、『聊斎志異』のなかでは有名で分かりやすい小説だったのが原因と言えよう。

死人には

 マンガと小説の違いは、絵描きの自分にっとってやはりビジュアルを提供することと、マンガ独有な「入りやすさ」だが、この禍々しい絵柄の何処が入りやすいのかを弁明する術を、作者として持っておりません(汗笑)

 しかし表現者として、ただそのままマンガにするのではなく、私しか描けないし私しか思い付かないものができればという願望を胸にして、芥川版『酒虫』の劉大成を不老不死の旅人、蛮僧を女道士に変身させ、さらに旅人ではなく、女道士の生き様に焦点を当てたわけです。

戸惑い

 今回の『キッチュ』復活号の表紙にも飾った女道士は、妖しさと危険のにおいが漂う外見からして、望まない人生と与えられた目標に抑圧しなければならない秘かな欲望を併せ持つ人物で、不器用で素直、私が自分にとって(もちろん現実的な意味ではないが)理想的な女性像として描いたつもりです。

 しかしこの短編マンガ「私版」の『酒虫』の結末どう持っていくのか…それなりの時間を要したが…人はいずれ死に、それは人生と言う物語の結末であるため、人物がもっとも望む死に方を作者が思い付いた時、物語の結末が決められ、こうしてこの一作が出来上がったわけです。

 さて、それは女道士が望むモノであるか否かに関わらず、ここで「死」を越える「生」を求め、彼女は究極の選択に直面しなければならない。

輪廻

 …もし自分が彼女ならどうするのか、そして不老不死の旅人はまた、なんなんのか…?

 可愛げがなく、不器用で素直な、古典とまったく別物の拙作『酒虫』を、ここで味わっていただけると思います。(呉)

※総合マンガ誌「キッチュ」復活号作品紹介選択ページへ※酒虫

スポンサーサイト


Category:キッチュ3・5復活号 | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |
<<「キッチュ」復活号掲載作品紹介:嗚呼青春! | HOME | 「キッチュ」復活号掲載作品紹介:センスのあり過ぎた鎖>>
name
title
mail
url

[     ]
Trackback URL
http://kitsch2010.blog106.fc2.com/tb.php/70-b8990d3e