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「キッチュ」復活号掲載作品紹介:「生き」をかみしめる

2013.01.17 Thu
 自分が、お葬式に出たことは、今のところ二回だけです。それにどうも寿命が長い家系なので、いまだに両方の祖父祖母は健在であります。よって二回とも親族のお葬式では、ないわけです。

 ところがその一回目のお葬式は、事件で亡くなったわけなので、自分にとってなおかつ強烈な経験だったのように思えますが、それをあらゆる原語を使っても、その感情ないし経験を説明することが未だにできないという自分の一つの限界を知ったのであります。

 さて奈樫マユミさんの作品との出会いはもっと前の出来事でしたが、「気持ち」というモノをここまで絶妙かつ自然に描ける作家を、いまだに他を知らない。

梅干し


 「キッチュ」では三回目の掲載になりますが、多くの「死」のラインナップの復活号のなかで、「生」を描く全38ページの『日々を重ねて』は、これまでのものよりもさらに洗練された一作になっています。


 そこにはそれは魔法学校を通うメガネの子でも、雪山から飛び降りるスパイでも、超能力で宇宙人と戦って世界を救うスーパーヒーローでもない、弁当屋で働いている本庄優子さん、30歳です。

夢は嫁

 妻子持ちの浮気の相手である本庄優子さんは、焦っていた。


 毎日同じ時間にお弁当を買いに来ている常連が、ある日来なくなっているのを見た本庄優子さんは、焦っていた。


 なんと言ってもとにかく30歳になった(大事なことらしいので、二回書きました)本庄優子さんは、不安を感じながら焦っていた…。


 なにもしないと前に進まないような気がするから、なにかをしなければいけないような気がする。



 しかし、なにをどうすれば?

瞳の先には

 現実のなかで、意外にも「死」と同じように、「生」にも時々向き合いたくなくなる一面をもっている、それをマンガに描く時に特異かつ奇抜な物語を使うよりも、身近な人物で描くほうが、実は数段難しいのだ。


 さては三十路は人生の区切りの一つというのを、私の場合10代の頃にそう考えた、しかしまさか「三十路の徴兵日記」というタイトルでブログ記事を書いたとは、さすがに思っても見なかったものです。(呉)

※総合マンガ誌「キッチュ」復活号作品紹介選択ページへ※日々を重ねて

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