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キッチュな映画『ロボフォース鉄甲無敵マリア』(88)

2010.10.10 Sun
88年香港映画『鐵甲無敵瑪利亞』、邦題『ロボフォース鉄甲無敵マリア』

 ロボット、ハイテクノロジーの産物でありながら、計り知れない楽しい幻想をもたらしてくれるファンタスティックな存在であります。

 マンガやアニメでその姿をたちまち見かけますが、もっとも印象に残るのは木城ゆきとマンガ作品『銃夢』の第一部で登場したロボット(厳密に言うとアンドロイドでしょうか)です。

 機械の体を持つ「人間」の心の複雑な深層心理による「悩み」を一読者として重く受け止めています。なによりも、主人公ガリィの黒いボディと白いトレンチコートの組み合わせに様々な発想を触発され、実に美しい存在であります。

 『銃夢』との出会いから、当時の約7年前にある映画作品に登場したある魅惑なキャラクターに遡りたい。


 日本でも「香港のスピルバーグ」で知られるツイ・ハーク監督作品『ロボフォース鉄甲無敵マリア』に登場した「パイオニア2号(マリア)」であります。


 犯罪組織「ロボギャング」(原題では「英雄党」)がロボット「パイオニア1号」をあやつり、犯罪行為を繰り返しているが、その圧倒的な戦闘能力に武装警察もまったく歯が立たなかった。そんな中、警察の武器開発部門の科学者のルーニーや、「ロボギャング」元メンバーのウィスキーがしょんなことで「ロボギャング」のロボットに命を狙われてしまう。

 そこで二人が「ロボギャング」が送りこんだ刺客女性型ロボット「パイオニア2号(マリア)」を改造し、「ロボギャング」に立ち向かうのであった…



 ●冴えない科学者ルーニーが、偶然酒場で「ロボギャング」の元メンバー、ウィスキーと出会い、ルーニーがウィスキーの正体を知らずに親交を深まってしまう。

 ●偶然にも警察の人間と内通しているとされ、ウィスキーが「ロボギャング」に命を狙われてしまう。

 ●と同時に科学者のルーニーもウィスキーとの関係を偶然警察に知られ、警察にも追われてしまう。

 ●スキャンダルを追う若い記者が偶然二人に目を付け、事件に巻き込まれて行く。

 ●「パイオニア2号」は改造されたあと、三人の言動を学習し、偶然思考を持つようになる…などなど。


 この作品に「偶然」的な展開は実に多い。

 しかし、思えば、学園ストーリーでは主人公が朝通学で電車の中で出会う美男子(あるいは美少女)はのち学校で先生に紹介される転校生だったり、あるいはファンタジーストーリーの主人公は実は勇者の子孫など「偶然」による事件の展開は、ある意味物語を構成する主幹とも言えます。


 またこの作品の監督ツイ・ハークは、よく自分の監督作品に出演していて、今回は主役だが、時には観る人が思いも寄らない役を担当することもあります。(例えばアニメ映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』では犬の声を担当)

 ドタバタ劇のような展開を見せる本作だが、まず設定上「ロボギャング」(「英雄党」)は実は元々犯罪組織ではなく、理想のある秘密結社だった。またボスの「機械」への執着、恋人のマリア(「パイオニア2号」のモデルである)が「機械」への憎しみなど…本編80分という限られた映画の長さを有効に使っては細かい人間関係と裏設定を無理なく説明してくれます。

 特に「パイオニア2号」が何気なく主人公たちの動きの真似をする小さなアクションが後半それが思考を持つようになるヒント作りに注目したい。全篇を通して無駄なカット一つもありません。

 演技について特筆すべきなのは、「マリア」役のサリー・イップ(葉蒨文)であります。劇中単調な動きで赤子同然の知能(?)のロボットと、犯罪組織の悪女を一人両役で完璧に演じています。それに加えて、ドタバタのなか、「霊幻道士」シリーズで知られるラム・チェンイン(林正英)のシリアスなキャラクターとハードなアクションによって作品のバランスが整えられています。


 90年代後半までの香港映画では、この作品のように「偶然」の展開の真骨頂と水準の高い作品を目指すの姿勢を見せてくれる映画作品が数多く存在します。その多くは奇抜な発想と奇想天外な展開のせいで、いまでは二級映画扱いする人もいるかもしれませんが、演技と世界作りに、特撮のどれも本気で、型にはまらないしかもパワーフルで再評価すべき作品群だと考えています。

 架空の物語を作ることを「ウソをつく」と例えれば、創る本人が自分をも騙せるほど、本気でウソをつかなければならない。

 それがモノ作りの基本中の基本であり、もっとも大事なことなのではないでしょうか。


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ロボフォース鉄甲無敵マリア
『ロボフォース鉄甲無敵マリア』アマゾンでは在庫切れとされており、稀にオークションで見る事が出来ます。


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キッチュな映画『サイキックSFX 魔界戦士』(85)

2010.05.19 Wed
 85年香港映画『奇縁』(日本の題名は『サイキックSFX 魔界戦士』)

 主観だが、ワタシが思う香港映画の黄金期は、即ちアジアのジョージ・ルーカスと言われるツイ・ハークや、アクション映画監督の大家チン・ショートゥンなどの香港の名映画監督たちがもっとも活躍していた、80年代後半から90年代前半の間です。

 85年に制作されたこの『奇縁』は、まさしくツイ・ハークらの世代が台頭する、前述の黄金期に入る前の黎明期にあたる時期に作られた映画作品。その監督はチン・ジュートゥン、さらに主役にはいまやハリウッドでも活躍している、86年には名作『男たちの挽歌 』の主役にもなったチョウ・ニュンファが主演を担当するというので、観る前から期待が高まります。

 あらすじは、ヒマラヤの奥地にいる聖物を守る神の使いが悪魔がつかわした「黒ヒョウの男」に倒された。そこでたまたま観光しに来た香港のデザイナーのジョーが次の神の使いに選ばれ、神と悪魔の戦いに巻き込まれて行くという、大変シンプルなものです。

 冒頭では当時一つの王道としてあった、悪魔(黒ヒョウの男)が儀式の壇に乱入するシーンから始まっだが、それとは対照的に、のちキーマンになる使いの少女が主人公へのアプローチには意外な連続だった。激烈なアクションを大いに予感させる『魔界戦士』だが、箱を開けてみれば、それはあくまでも、驚くほどの生ぬるいスローペースで、物語が展開されてゆく。

 そこで注目したいのは原題『奇縁』ですが、その題名とおり、もともと愛する人のいる主人公ジョーが、次第彼の危機を伝えにくる純情な美少女シーラに心を奪われていきます。ジョーを魅了したのは彼女の美貌なのか、その純粋な心なのか、それともその超能力が引き起こす数々の超自然現象になのか…。

 それでも、最後黒ヒョウ男との対決では、場合によって窮屈なまで思わせるそれまでの展開から一気に解放された大スケールな特撮が画面で炸裂し、それもサスペンス風な、あえて言いますと大友克洋の「童夢」のように、そのうえ「CGのない時代で、いったいどうやってこれを撮ったんだ!」と、驚嘆しざるをえない映像です。

 日本題名とおりのヒーローストーリーの骨としてあるが、より生々しい人間の感情が加味されている…いや、もしや、加味されたのはSFXと付けられた題名であって、本当のメーン・ディッシュは、この幻のようなラブストーリー…『奇縁』、というべきでしょうか。


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